どんな課題がある?
緊急資金貸付支援件数200倍、
緊急食糧支援14.6倍
令和2年度の1年間で、社協が行う失業者・減収世帯等への緊急資金貸付支援(生活福祉資金制度の特例貸付)の申請件数が207万件と例年の200倍の件数であることが新聞に掲載されました。
また、「今日食べるものがない」世帯への食糧支援(緊急食糧支援)も昨年度の14.6倍の提供件数となっています。
-
生活福祉資金の特例貸付関連相談件数(累積)
緊急食糧提供数(累積)
-
住居を失う恐れのある世帯の増加
厚生労働省 「住居確保給付金」累計支給件数(2020年4月~12月)は12万5874件となっており、15の自治体では支給件数が前年度1年分の40倍に急増しています。
伊賀市役所と伊賀市社協が受け付けた申請件数は、累計111件(2020年度)となっています。2020年度伊賀市社協住宅確保給付金申請累計件数の推移
こんな問題も起こっています
-
コロナ差別
市内でも、「県外ナンバーの車を運転していると罵声を浴びせられた」「新型コロナにり患していたことを近所の人に言いふらされた」などの”コロナ差別”が発生しています。
-
テレワークや自粛期間で
コロナ太り外出減少による健康への悪影響として、「コロナ太り」という言葉が広がっています。そのもの株式会社の行った「コロナ太り」に関する調査では、6割以上の方が太ったと回答しています。
-
孤立・孤独の増加
伊賀市内でこれまで当たり前に行われていた人と人がつながるイベントの中止や延期が相次ぎました。市内のふれあい・いきいきサロンも全体の30%が活動を休止しており、市民の居場所が減っています。
当事者エピソード

事例 1
「生きてくことに張り合いが
なくなっちゃって・・・」
妙子さん(仮名 78歳)は、7年前に夫に先立たれ一人暮らし。
一人息子は東京に所帯を持っており、帰ってくることはほとんどありません。
そんな妙子さんにも楽しみがあります。最近参加しはじめた地域で行われている「ふれあいいきいきサロン」です。最初は民生委員さんがしつこく誘うので一度だけということで参加したのですが、ことのほか楽しかったこともあり、毎回参加するようになっていきました。
今では、サロンへの参加のために朝からバッチリお化粧をし、着ていく服装にも余念がありません。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、サロンは中止。
当面の間、開催は見合わせることとなってしまいました。これまで人とのつきあいがそれほどなかった妙子さんはサロンでの交流が中心となっており、サロンへの参加がなくなった今、人と会話をする機会がなくなってしまいました。もう3か月も家にこもったまま・・・。気になった民生委員さんが訪問したところ、「行くことのできる場所がなくなるって、結構こたえるものね」「なんだか生きてくことに張り合いがなくなっちゃって」「最近物忘れも多くなっちゃって・・・」と気力は低下する一方のようです。

事例 2
「お金はあるが、
食べるものが家にない」
伊賀市内の工場に勤務する剛志さん(仮名 32歳)は、同じ工場でパート勤務する妻(30歳)、長男(9歳)、長女(6歳)との4人暮らし。
剛志さんは鹿児島県出身であり、今の会社で知り合った同じ九州出身の妻と結婚。二人の子どもにも恵まれ順風満帆な生活を送っていました。
そこに新型コロナウイルス感染拡大の波が押し寄せてきました。
会社でクラスターが発生、妻が感染してしまったのでした。自分自身も濃厚接触者となったことで家族全員が自宅待機をすることとなりました。
まず困ったことは食べるものでした。買い物に行けない上に、ネット通販で買おうにも配達員と接触するわけにもいかない。だれかに玄関前に置いてもらおうにも、親戚はみんな九州ということで遠方にしかおらず、現在住んでいるのは市街地で、最近引っ越しをしたばかりで近所に親しい人もいない状況でした。
会社の同僚もクラスターが発生したこともあって余裕がない状況です。
お金がないわけではないのに、まさかこんなことになるとは。
お米もわずかしか残っていないし、冷蔵庫の食材があとどれくらいもつか・・・。


最近、こういった事例が全国各地で見られるように
なってきました。
それは人ごとではありません。
変異株の新型コロナウイルスは感染力が強く、
3密を避け、手洗いうがい、マスクもしっかり着用と
かなりしっかりとした感染予防を行っていたとしても
感染してしまう事例も多数報告されるようになってきました。
そこで、私たちは「新型コロナウイルスによって発生した新たな日常生活課題の解決」に向けて取り組みを始めています。
課題解決のための
私たちの取り組み
-
困窮している世帯へ
向けての支援失業者・減収世帯等への緊急資金貸付支援や「今日、食べるものがない」世帯への緊急食糧支援、就労支援を含め、自立に向けての支援を行います。
-
新型コロナウイルス感染者
・濃厚接触者の方への食糧
支援事業
(おたがいさま便)新型コロナウイルス感染者・濃厚接触者の方で自宅待機を余儀なくされている方に対して、自宅へ1週間分の食糧をセットにして自宅へお届けします。生活必需品も一緒にお届けします。
-
人と人とのつながり
強化を応援します世代間交流事業やふれあいいきいきサロン等、コロナ禍でもリスクを軽減した形の開催方法を提案し、応援していきます。また、新たにラジオ体操交流活動を実施し、更なる人と人とのつながり強化に向けて支援を行います。
-
コロナ差別解消に
向けた啓発活動伊賀市社協の地域福祉コーディネーターが中心となり、市内各地でコロナ差別解消に向けた啓発活動を行います。
たとえば、このような取り組みを
行っています
-
自宅待機者向け食糧支援事業「おたがいさま便」
感染・濃厚接触等により自宅待機を余儀なくされている方へ、1週間分の食糧・生活必需品の給付を行います。
-
緊急食糧等提供事業
食べるもの・生活必需品を1週間分を1セットとして家族分の給付を行います。
-
新型コロナウイルス差別撲滅啓発活動
チラシの配布や地域福祉コーディネーターによる啓発講演等を行い、差別のない地域づくりを目指します。
-
人と人とのつながる活動支援
コロナ禍で休止しているサロンの再開支援やオンラインでのつながりづくりを支援します。
-
生活費貸付事業、就労支援
失業者・減収者・再就職困難者が経済的に自立した生活を送れるように相談支援を行います。
-
緊急一時宿泊費助成事業
住居を失った世帯が野宿(路上生活)や車上生活等をせず、新たな住まいを見つけることができるように相談支援を行います。
これから、このような取り組みを
行う予定です
-
下宿学生食糧支援活動
親元を離れ困窮している学生を支援します。
-
ラジオ体操交流活動
外出する機会が減少している人のために、外で体を動かす機会をつくります。


悲しい出来事は、あなたの力で止められる
地域の課題解決のために
あなたにもできることがあります
ボランティアで支える
-
地域交流支援
健康や趣味活動、人との交流などを目的として、地域では様々な活動が行われています。ふれあい・いきいきサロンやラジオ体操などでの活動があります。
-
地域食堂支援
孤立や孤食に向けた取り組みである地域食堂(子ども食堂)や高齢者への配食サービスの活動では、調理、配達、準備などの活動があります。
-
高齢者支援
少子高齢化が進む中、一人暮らし高齢者も多くなってきています。電球交換や草刈り、清掃、話し相手など、助け合いの活動があります。
-
外国人支援
日本語での会話が困難であることや情報が届きにくい外国人住民を支える、やさしい日本語や通訳、翻訳などの活動があります。