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第1分科会事例発表



 この時間で結論を出すのは難しいかもしれないが、三重の地域ボランティア情報センターの役割と課題について少しでも整理することができればと考えている。

 伊賀での訓練。地域防災計画の内容。県民局単位で地域ボランティア情報センターを置き、ボランティア本部を置く。社協、ボランティア団体、日赤、県行政と一緒になって情報センターを立ち上げることになっている。市民活動センターが県中央の情報センターとなり、連携を取ることになる。計画は絵に描いた餅だと言われがちだが、市民レベルで作っていくこと、魂を入れるのは民間レベルで作りたい。
 6月13日に伊賀でフェスティバルをやった。はしょって説明するが、災害救援アドバイザーと一緒に作った地域ボランティア情報センター、概念図。本部ができたとして、現場へ振り分ける作業、重油も阪神も同じ流れ。情報本部という形で、外との情報交換、外に情報を流すことをイメージした。

中村

 130年前の6月15日、伊賀上野地震。
 県の上野庁舎、スペースも広くとれる場所。伊賀地域18万人の生活人口を収集できる場所。震災を想定したイベントを開催し、いざというときにそこを拠点とする。今のうちから旗を揚げようと開催した。県も主催で協力してくれた。民間から立ち上げた企画だったが。市民活動とのくくりで窓口になった。県民局を解放してもらった。自衛隊、警察、消防の専門機関と民間が協働でできた。
 伊賀地域で何か起きたときに拠点となる前例、道筋ができてよかった。関西と東海の中間地点、京都、奈良、滋賀から見ても40キロぐらいある。情報の中継地点になるのではとも思う。情報発信もやろうと、上野市社協のネットワーク、HANZOU−NETが中心にリアルタイムで会場で何が起きているか、アクセスしている人がリアルタイムで参加できる実験もしようと電話を4回線を借りた。庁舎内外でいろいろ行われた。



 イベントは各地区でも行われたようなものだが、民間レベルで行政、企業と一緒になってやったことが意味ある。地域防災計画では、県民局単位でセンターを置くとなっているだけで、場所は記載されていないので、既成事実を作ったことは意味がある。
 やれる範囲でとやってみて、問題点も出たのでは。emailでの情報送受信訓練。この結果は、日ごろから付き合っていない人にこのイベントが分かってもらえない。センターの位置づけも分かっていない。直接のメールはほとんどなかった。社協職員のmlのうなそーすなどに流すと、情報が入って来やすい。mlを使うと一度に大量に情報が流れるが危険とともに、流れは速い。DMは日ごろのつきあいがないと、情報の信頼度の確認も必要になる。
 掲示板の運用。急きょ、図上訓練の内容を掲示板で流して、掲示板で外部との訓練をしようと。300ぐらいの書き込みがあった。掲示板の利用はよい面もあるが、どう処理をするか、まとめるか無限に入ってくるし、誰でも見ることができるので、掲示板は掲示板のあり方を考えておかないと、そこから変なデマもあり得る。
 災害用ホームページからの情報発信。当日の模様を載せた。いろんなボランティアがかかわり、情報を発信した。当日の模様を検証するのには効果があった。災害にはたけていないメンバーがやったが、そこでもこのぐらいのことはできたかなと思う。
 難しいシステムを情報センターに求めると、いざというときに使えない。ごく初心者でも使えるようにという実験。それぞれの県民局単位で市民が実験して行かねばならないのではと思う。災害の規模に応じて柔軟に対応できる情報センターを作らねばと思う。よりよい物を作って行かねばと考えている。三重はこの程度までいったよ、さらにどうすればいいかをディスカッションしてもらえれば。

廣井

 情報のボランティア、特にパソコンを使って何ができるかとの実験と理解する。メール、ml、掲示板でどこまでやりとりできるのか。HPでのリアルタイム送信は面白いと思った。モバイルを活用すれば、震災のころに比べていろんな活動が可能になるのではと教えてもらった。ただ、三重でパソコンのリテラシーがあるのか分からないが、メールやml、HPをどれだけキャッチできるか、それを育てなければならないと思う。面白い試みだと思う。機会があれば、紹介していきたいと思う。



 リテラシー、どこまでボランティアでできるかという問題もある。災害の知識がないボランティアでも、コーディネートさえすれば事務的にやれる。ここが可能性なのかなと。平時のつながり、HPでは昨日まで台湾地震だったのが、一昨日から2000年問題の情報に変えた。練習をしておけばいざというときには使えるのかな。 質を高めないと変な情報が流れる。
 HPでは、何かを開始したときにまず文章を出して、新聞記者のボランティアが取材してもらってデジカメの写真も貼り付けた。館内放送で何かが足りないというとすぐ入力した。シナリオがなくリアルタイムでやった。

第1分科会 問題提起1



 問題提起1として、干川さんから震災以降の情報ボランティアの活動の検証をしていただきながらこれからの災害情報のあり方を検証してもらいたい。

干川 (レジュメ)

 震災の時からトルコ、台湾まで情報ボランティアを実践し、一段落すると論文を書いている。
 阪神大震災は、パソコン通信を使って情報ボランティアが実践された。活用されたとのマスコミ報道。虚像ができた。発災後2週間経っても誰も淡路島から情報が出ないと私が始めた。やり始めたら泥沼。拠点を作って流すまで3週間かかった。1カ月半かかった。現場に必要な情報はネット上で取れなかった。阪神地域でも思ったことの10分の1もできなかったのが現状。
 情報ボランティアとは何なのかの定義。情報流通の重要度を意識し、救援活動の裏方として情報面のサポートをする。必ずしもパソ通、インターネットを使わなくてもいいが。
 扱った情報は、内外の双方向の流れ。安否の問い合わせ、救援の申し出。神戸大はインターネットを使っていたので、海外の留学生の問い合わせがあり、教官や院生がやりとりしていた。海外からの援助申し出に対して対応していた。内部から外部に流れる情報、救援の状況など。内部での情報、現場から災対や配給所に。いちばん役に立ったと言われるのは、行政手続きの情報、生活情報、水食糧の配給状況、アクセス情報、風呂情報など。被災者まで届いたのかは大きな疑問点。ネットの情報をプリントアウトするところまでつながったのはごく一部。せいぜい30カ所ぐらい。ネットにはあったが現場には届かなかった。
 課題とすれば、使ってみたが、試行錯誤の連続で後手後手。対応できなかった。私も含めてそうだった。
 なぜそうなったか。通信は外につなげるには役だった。生活情報が渡らない。外に流す情報は外部では役だった。情報ボランティアが活動したことも知らないのが被災地内。普段から顔見知りではないので、拠点作りに時間がかかったのはどこでも同じ。コンピューターを使える人間が少ない。避難所、県市でもなかった。niftyなどが前年からインターネットで使えるようになっていて、パソ通とインターネットがつながるようになっていたが、できる人はわずか。決定的に不足していた。裏話をすると、県と郵政、通産が業界からパソコンをかき集めたが、使われたのは3割ぐらいで情報ボランティアがサポートしたところだけ。パソコン通信は役立たなかった。
 2年後の重油災害。現場で活動する団体が、ホームページを作っていた。現地の活動状況、輻輳、本部の場所、準備するものなどを掲載。現地に来た1割がネットを見てきたという。NHKのボラネットで地図と情報を組み合わせていた。
 行政も、国や県が情報を出すようになった。でも、現場では役立たなかった。行政は現場に顔を向けていなかった。重油災害時には、日本海沿岸の大学がmlを立ち上げた。環境科学の専門家などがやりとりしていたが、現場に届いていなかった。
 昨年の水害時には福島や栃木で効果的な情報発信ができるようになった。高知県のホームページでも、かなり全面的に災害情報、住民向けに出していた。高知県警のヘリからの写真。3万件水が浸かった地区の写真も出ていた。地元の新聞でも、詳細にホームページで情報発信していた。GISにプロットして情報が見れるようにしていた。愛媛大の院生が作った。
 日ごろからネットを使っていた。橋本知事を囲むmlがあり、地元で地域作りをやっている集まりがある。行政と連携していた。日ごろからのつながりの延長で活動していた。
 岡山の津山市。3000件ぐらい使った。市の職員がボランティアと一緒に活動していた状況をホームページに。地元テレビも伝えている。
 総括すると、現場が使えるようになった。行政も住民に顔を向けて伝えるようになった。情報ボランティアがサポートするようになってきた。でも問題はある。
 連携がうまくいったか、日ごろからの顔見知り関係がないとうまくいかない。迅速にいかない。ノウハウがまだ確立していないのでは。

第1分科会 問題提起2



 時間がないので、先に問題提起を。入江さんからトルコ・台湾地震情報について。NHKボランティアネットは数ヶ月で300−400万アクセスがあったという。

入江

 そもそも、勉強しようと思っていたが、逆の立場で話すことになった。PRできればと話させていただく。昨年7月からかかわるようになった。もともとカメラマン。ボランティアにも関心がなかった。阪神の時にはほとんどが現地に入ったが、私は国会担当で神戸にも入らない数少ない方だった。勉強の最中。
 NHKボラネットは、したい人と、している団体を結びつけるお手伝いをするネット。放送開始70年=震災の年=の4月から立ち上げた。準備として1年ぐらいやっていたが、阪神は間に合わない。重油災害の時から私の前任者が現地に入ってネットに載せ、知られるようになった。ハートネットの吉田さんから、避難所で下着が足りないという。そこをきっかけに1カ月間ぐらい。とうほくから伊豆まであちこちで集中豪雨があったので、ネットでお手伝いした。今年に入って、トルコ、台湾と地震が相次いだ。災害時にはHPが見られる。トルコの地震後、アクセスが増えた。NHKのニュース原稿、参加団体に中部トルコ支援協会からの義援金情報。専門家が現地で活動するので、義援金情報が多かった。みなさん、阪神の大地震の際に、各国から支援をいただいたので何か支援したい。物資を送りたいというメールが多かった。
 それで、紹介すると、トルコ航空が物資を無料で送るという情報がネット上で飛び交って、送るというがトルコ航空には十分なスタッフいないし、確認の電話を入れたが、外務省の許可もない。正式に集めますと。物資を集めると言うことは、阪神や重油災害も含めて慎重にとアドバイスした。その時に感じたのは、マスコミの仕事をしていたが、いち早く知った情報を早く伝えたい。話をしたがる。ネット上で悪意はないが、善意でお手伝いしようと載った情報。確認しないと、正式に発表しない段階で情報だけ先走って荷物が届いててんやわんや。物資を集めて送る善意は分かるがその情報が一人歩きする。その情報で返って困ってしまうことがあった。ネットは非常に便利だが、気を付けないとかなり難しいのではと思った。
 台湾の地震、近いこともあってその日にヒット数が12万件。HP上に何もなかったが、次の日が15万。初めての試みだったが、メールの中で知り合いがいるというものがどんどんあった。全部で120人ぐらい来ていた。そのうち80人ぐらいは消息が確認された。この際も、台湾にいた人が5人ほどボランティアとなって探してくれた。ボランティアは最初から匿名。最初は載せていいのかどうか躊躇した。探している人が連絡をとれた2,3日後の段階でネットに載せた。こっちでは住所などは持っていてネット上には載せなかった。匿名メールの人からも、情報の扱いに困っているのではというメールも来た。その人の情報は安心して使えると載せていった。便利だが、匿名性の強いもの。NHKではメールは単純なこと以外はやっては行けないことになっている。NHKでは、主たる業務の中心なのでやっている。神経を使うのは、便利なツールだが、大丈夫なのかとの確認。日常やっていて神経を使うところ。
 台湾の地震の2日後、鳥取県のけだか町で「事業縮小で仮設トイレ50戸あまっている、役立たないか」と載せたら、兵庫県の明石魚住ライオンズが台湾に運ぶと南投県の中学校に設置された。ネットでつなぐところがあって初めて送れた。

第1分科会 問題提起3

中川

 トルコ航空のトラブルは、まさにネット時代ならでは。これが、100万読者がいるメールニュース「まぐまぐ」に流された情報。善意からだろうが、個人物資を想定していないトルコ航空を混乱に陥れた。情報を考える上で貴重な体験だ。

レジュメ
マスメディアの情報処理から考えた災害情報ボランティア私説
災害をよく知り、住民に役立ち、連携を促すために

何のために情報を集めて発信するか

・マスメディアは社会で起きるさまざまな事象とその意味を広く伝える。「客観報道」が本当かどうかは\(^^\) (/^^)/。専門家向けや、経済情報も\(^^\) (/^^)/。
・中川的意味付け。事象が広く社会に納得される形(時には納得できないこともあるが)、すなわち「腑に落ちる」形で伝えられること。「腑に落ちる」伝達をしないで放置すれば、エントロピーが増大、不安の増長・社会の混乱を招く。
・情報が未整理のままで伝わっても、意味を持って受け止められない。エントロピーを下げるために必要なエネルギーを、取材、分析された情報を受領し納得することで得る。

マスメディアはどうやって情報を収集、整理、発信するか。

・記事スタイル、パターンを前提に取材、執筆する。パターンに当てはめると、受け手は「なるほどね」と腑に落ちる。情報を標準化することができる。たとえ話と同じ。 本記=基本的なファクト。5W1H。オフィシャルソース中心
 解説=その事象についての論説。主観が入る分析
 サイド=ある切り口からその事象の側面を浮き彫りにする
 雑観=現場の情景描写や現場の人の声
 「とは」もの=用語解説。    などなど
・記者、デスク、校閲・整理と何段階かのチェック
 広い視点で見極められるとともに、ミスの防止や表記の統一を図る。
 
誰も全体像を知らない発生事件、事故、災害・警察、消防、自治体、病院、現場、専門組織などの情報を、手分けして取材しまとめる。

事件・事故なら警察や消防が、災害なら警察や自治体など公式情報が中核=本記となる。
・どこならどういう情報があるか、経験の蓄積がマスメディアにはある。駆け出し期に言われた「感想文はいらない」

情報不足は初期。混乱期に錯綜する多くの情報

・断片的な情報が許容されるのは初期(例えば号外)。整理、加工が必要な段階の見極めが必要
・整理、加工するには、取材前にどんな情報を集めるかを計画しておくことが求められる

何が起こりうるか想像して準備する

・過去の事例での情報の流れを把握する
・取材先のリスト作り。記者の配置を想定する
・予定稿、資料写真、事前取材を蓄積する

多くの引き出しを持つ

・すべての知識は頭に入れられない。どこに聞けば何が分かるか、どこに正しい情報があるかをつかんでおく。
・ただ、相手の話を理解できる程度の知識は必要。それが引き出しとなる。

マスメディアの情報は災害時にどこまで役立つか

・○初期の大状況把握、国・県の支援策、事後の幅広い検証
・×地域の身近な被害情報や生活情報、具体的な支援策

なぜ役に立たないか。欠点は

・カバーエリアに問題。
・目新しい「ニュース」が中心で先走る。行政や専門組織が良いことをやるのは「あたりまえ」であり「ニュース」にしない
・パターンからはずれた視点を持たない。Vは賛美するもの、行政はたたくもの、自律した市民像を描けない
・災害関連の知識が不足している。
・情報は一方通行

行政のニュース(広報紙)は役立つか

・確定情報しか流さないので、旧聞になりがち
・国県市、組織内での担当、それぞれの縦割りで情報が共有化されていない。
・自治体のwebページは期待する

「自治体広報紙の速報は連携のツールに」(消防科学総合センター・黒田洋司主任研究員)

・広報紙を作成するための情報集約が、行政内部の関係部局や住民、ボランティアを含めた「連携」の武器になる
・「24時間以内での速報のため、地域防災計画で災対本部幹部を広報紙責任者とし、第1号の予定稿や、外部の協力体制の確立を」

必要な情報がどこに欠けているか(マスメディア、行政ができないことをする情報ボランティア)

・何を誰に向けて伝えるか
 被災地内か、被災地外か。
 そのエリアは生活圏か、行政区か、広域か
 住民か、行政や専門機関か
 行政を含めた支援組織の支援内容を細かく伝えることは有効。連携の実現にもつながる
・どのように伝えるか
 ユーザーの使いやすい形でまとめる
 ファクトと感想文を一緒にしない
 双方向を意識する。住民からの情報発信を組み込む(2.の点に注意)
 情報の裏を取ることで、新たな連携も探れる
 情報収集段階からアウトプットの方法を意識する
 webなどだけでなく、紙媒体なども活用する
 
日常からの取り組み

・いざというときに何をするか想定し、ひな形、予定稿を
・情報の入手先、送り先、届け方も想定しておく
・HPやmlを「引き出し」にし、知識や制度を学ぶ
・いざというときのあなたへの支援者を探しておく(デスク的役割)
・想定外の時代も想定し、弾力性のある準備をする
・学校インターネットなど、地域の情報リソースの確認と、日常のイベント支援などを通じた人脈の拡大
・広域活動は各地とネットワークを、地域活動は地域の各種組織と顔見知りに

災害時に増大するエントロピーをいかに下げられるか

県の災害ボランティア情報センターにどのような情報が流れるかを想定しておく
第1分科会 パネルディスカッション

廣井
 干川さんの話
 現場をサポートするのが情報ボランティア。必ずしも役に立ったとは言えない。震災時と比べて、情報通信を巡る状況は全く変わった。回線が公共施設に沢山入った。地域住民が避難する公立の小中学校。震災前はネットにつながっていないパソコンしかなかった。回線が2つしかない。郵政・文部が子どものころからインターネットをと小中学校に回線を引こうと。これからは避難所からの情報発信は楽になるだろう。
 パソコンを使う人が増えてきた。ここでもそう。日ごろからパソコンを使っていざというときにやろうという人が増えてきた。行政もインフラ整備が進んでいろんな情報を流そうとしている。Vと行政のどこで区分けするのか。それを整理しないと混乱するのでは。提供する情報の中身は何か。
 入江さんの話
 外国に大災害があったときの要望にどう対応できるのか。何かをしたい人に情報Vが協力できるか。調整するか、効率的な活動をさせることができるか。
 中川さんの話
 重要な情報Vの心得。チェックをする、裏を取らない曖昧な情報だと混乱の元。どこに行けば情報が得られるか事前に調べておく。断片的な情報は時間がたてば早いだけでなく整理加工が必要だとか。

 干川さん、実践と研究をやってきたが、今後大きな災害が起きたときに一義的に流す情報は何なのか、行政がやれない部分は何なのか、聞かせて下さい。

干川

 直後と中長期で違う。洲本でボランティア情報団が組織されている。113の自治会とボランティアにパソコンを配って、地域の被害情報を発信することにしている。
 足で歩いてまとめることにしている。直後は行政も被災しているので、災対本部の情報収集を支援することは考えられる。中長期には、マスコミ、行政が発信してくる。
 高知では、HPをプリントアウトして現場に持っていって役に立っているし、問い合わせアドレスも作って役だったという。ボランティア本部で扱う、必要とする情報を集めてくることが役割になるのでは。三重のように。救援活動で役立つ情報を伝えていく仕事では。

廣井

 ボランティア活動の円滑化のために、中継点になるのはその通りだと思うが。災救法では情報を提供するとはなっていない。避難所を運営するための情報、必要な物資、問い合わせ対応。本来ならば行政の仕事かもしれないが、対応能力を超えているのではないかと思う。こういう役割はボランティアの活躍の場所ではないかと思う。学校インターネットを活用するというアイデアと共通するが。

中川

 三重の災害ボランティア情報センターは県民局単位となっているが、それは私が述べた対象地域でいうと広域的な場。最小単位は小学校区単位ではないかと考える。学校インターネットは爆発的に進むはず。いざというときに避難所になる学校と地域が普段から協働していけるような仕掛けが三重ならできるのでは。今でも、地域DIGを行っており、そのつながりと学校を結びつけられると考える。将来は学区単位に人材が生まれればいいが、最初は情報センター単位で育っていき、その人たちがさらに広げていく。その先端を伊賀上野で実践した乾さんたちに期待したいが。



 学校インターネットを組織できないかというが。より小地域で対象をしていくのは、センターの下のレベルも考えている。市町村でも行政や社協などのパターンが予想され、その下の避難所単位になる。その連携をと考えたときに、気の遠くなる話だが。はりまでの学校インターネットをみると、平時には教育に使い、災害時にはそれにつかう。そういう発想で、公的に基盤整備してもらえれば良いかなと思う。災害のために何かをするのではなく、災害のためにもなるシステムを構築していくことができれば。

廣井

 文部省のホームページに学校インターネットの推進状況についての情報がある。インフラの目安になるので、知っておいて欲しい。

入江

 NHKがボラネットを立ち上げたのは、安否情報の問い合わせ。放送では膨大な数で処理できない。ネットを活用できるのではと。急激に広まっていく。災害時に避難所の情報も一般の方も自由に発信できるようになる。場所を提供できるようになると思う。デジタル放送でデータ放送を文字情報を出せる。

干川

 安否、物資の需給調整を情報Vがやるのは悲観的。行政でやるべきではと思う。POSなどを導入して代行することはできるだろうが。阪神の被災地で導入されている。神戸、兵庫、宝塚などでも。

中川

 避難所情報ではないが、実際、行政からの情報発信は整理されてきているのは事実だが、コミュニティーとつながった形で学区単位の情報集約は必要だろう。

廣井

 入江さんの話ですが、郵政の課長と話をしていてインターネットの利用者は2000年には2000万人。人口の6分の1。大変なパワーを発揮する媒体になる。干川さんの話は重要。避難所からと言ったのは、避難所の住民リスト程度でいいのではと言うこと。横浜も、神戸も避難所情報を集約して公開することにしている。プライバシーの問題もあるが。行政がやるスタンスを取る。行政を甘やかすことにもなる。本来は行政の仕事ではある。何でもボランティアがやることではない。行政にやってもらう主張をすることも大切。会場からコメントはあるか。

阿部

 三重のインターネットの普及率は、180万人に8局のCATVがある密度が高い。来年度いっぱいで8局がプロバイダーになる。既に5局が資格を取っている。小中学校は大容量のCATVとなることを報告しておきたい。
 日本海重油回収でのボランティアを観察していた。1日1000人単位のボランティアを扱うときに、役割分担を決めていて三位一体(行政、住民、ボランティア)で、それぞれの役割分担を決めている。その分担が日々に変わる。住民を入れた地区地区の三位一体を。その模擬実験みたいなものを、小学校でやれるといいのでは。

干川

 学校を中心にした行政と住民とボランティアの一体。はりまの「ネットデイ」が住民も行政も巻き込んでいる。回線を引くだけで終わるのではなく、住民の専門知識を活かして学校教育のサポートをするとかはできると思う。理想だが。学校現場も回線とサーバーは入っているが教えられる教員が少ない。そうならないよう教育委員会で研修とかやっているが、まだまだ。マニュアルダウン。

廣井

 先の中川さんの発表で、情報の真偽の問題などがあったというが、事例的にはどんなものがあったのか。

中川

 阪神の時も情報ボランティアは何をすべきかという議論があったのは干川さんが紹介され、トルコ航空の問題は先に紹介された。重油災害で先ほど紹介されたサイトは、もっともリンクされたサイトだったが、最初は現場からの実況中継で、私が言うところの「号外」的な意味はあった。残念ながら、その後もずっと同じ手法で現場の雑観を出し続けた。ファクトが整理されていない。現場への地図とか、服装などの情報はあったが。雑観と「とはもの」だけだった。現場の見通し、成果などはまとめて示されていない。現場を客観的に把握するようにはなっていなかった。匿名の掲示板では、真偽の分からない情報が垂れ流される懸念がある。昨年の水害時では、掲示板も使われていたが、アクセスが少ないということもあって、質が保たれたのではないか。情報エリアの問題もあるだろう。

廣井

 マスコミでは、記者はバカだとか言われて鍛えられる。ボランティアは自由だが責任も感じない面があるのではないか。情報面の真偽とか正確性をおろそかになってしまう。情報ボランティアは最低限マナーを守りましょうとかいう心得を作ることはできないか。

中川

 ネチケットが基本だと思うが、災害時の特性を意識したものを考えることはできるかもしれない。この場での議論を通じて、三重で発信するのはできないか。



 作ってしまうと、そうでなければならないとなるのでは。阪神の当時は、パソ通があって、重油はHPがあって、掲示板やmlがあって、情報は心得を決めても1年たってもぜんぜん変わる。地域に沿っての落としどころがあるのでは。地域性もあっていい。心得を作るのは、マニュアル的なものではなく、情報の怖さとか、守るべき精神とか、可能性を出せれば。ある程度携わるものの共通理解があればいいかなと思う。

干川

 例えば、専門家の1999トルコ大震災支援委員会のmlでは使える情報が流れている。mlだけでは個々のユーザーに溜まらない。検索できるようにするとかも。フローな情報のストックをメンバー用の検索システムにするとか、外部に向けての公表HPにするとか。mlは迅速な情報のやりとりができ、短期的に役立つが、長期的にストックしていくことも重要。システム化できれば、使えないかと思っている。情報Vでの司会役とか、コーディネーターも出てくるのではと思う。

正村

 情報ボランティアをやっていて、阪神と重油に参加したが。阪神は情報がなかったことがよかった。情報をコントロールすることによって、現場を裏から支えることができた。日本海は情報が氾濫して、被災地での油回収に来た人が、新聞に、テレビに、ラジオでの情報と現場はどう違うのか。流しっぱなしのメディアのせいかもしれないが。出すサイドも受けるサイドもパッケージ化されていない。作る能力を持っていかないと。通信での書き方のマナーとか持ち合わせた人間が、情報を流す、送る、受けることが必要ではと思う。

小島

 皆さんがほとんど言われたが、トルコ航空の物資の話でいうと、中川さんが動いたきっかけは私からのメール。ネットの普及で誰でも自由に情報が発信できるよい一面もある。その人が見た文章や写真もあるが、雑観だけで終わるサイトの方が多い。掲示板は特にそう。災害時に情報を流すときに、雑観だけにならないよう、考えと客観
的な情報を分けて欲しい。

入江

 三重は先進県だと思う。元東京の天相所長の宮沢さんが三重は防災に進んでいると言われてきたが、会に参加して進んだ県だなとおもった。これが下から盛り上がったものが、全国に広がればと思っている。持ち帰って輪を広げられたらと思う。ネット上では親しくさせていただいているが、顔を合わせていくのが大切。

干川

 経験や、教訓からだが、顔の見える信頼関係は最大のソース。この人なら確実な情報を出す、ここなら情報がある。メディアにある経験の蓄積は、情報ボランティアにもある。InterCnetもそうだが。常時、イベントで顔を合わせたりして信頼関係をつないでいる。災害時に一番便りになる情報ソース。
 情報は混ぜてしまえばごみ。整理していかないと役立たない。情報Vが心がけないと役立たない。掲示板はゴミになる。mlの方が便利かなと思う。それを整理してHPに張り付ければと思う。

廣井

 地域ボランティア情報センター派遣がボランティアのコーディネートをする支援をするのが仕事だろうが、現地のボランティアセンターと連携してどう育成するか。心がけて欲しい。乾さんが最初に話したメールとか、掲示板とか、ホームページとか。いろんなツールがどう役立つかを整理すればいいと思う。情報ボランティアは、被災地で役立つのは当然だが、混乱の元になる。ネット社会ではそうなる。どうあるべきかを、この情報センターがことあるごとにできていけばいいと思います。また、チャンスを与えられれば皆さんと話し合いたい。ありがとうございました。