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第2章 水害の種類と被害
水害の種類
 水害は、大雨による河川の氾濫や、高潮や津波によるものであり、宅地や農地などの平地部の水没や、土石流などの状況を言います。しかし、この水害も「内水型」と「外水型」に分類することができます。
1.洪水、高潮
(1)洪水
 河川の流域に大雨が降った場合、河川を流れる水の量が急激に増大します。このような現象を洪水と呼びます。河川管理の上では、河川が氾濫しなくても洪水と呼びます。
(2)高潮
 台風により気圧が低くなるため海面が吸い上げられたり、海面が強風で吹き寄せられたり、湾内の海面が普段より数mも高くなることを高潮といいます。湾口を南にもつ内湾に沿って台風が北上する場合に発生します。このような高潮により海面が上昇し堤防より高くなると、付近の低地に浸水被害をもたらします。
2.内水型水害

 河川の下流域や海浜地域に多く見られる水害で、水位が徐々に上がり床下や床上を含む水没地域を作ります。この水害には比較的時間がかかり、又、水が引く時間も比較的長時間を要します。警報の発令により、被災者は水位の上昇に対して、家財の搬出や階上への移動のための時間的余裕を持つことができるため、避難誘導が可能となり、人的被害は比較的軽微に抑えることが可能となります。避難所生活は比較的短期間となりますが、地域の衛生問題など二次災害が懸念されます。復旧に関しては、長時間の労力を必要とし、ドロや汚水などに浸された家屋の清掃には多くの作業者の手が必要となります。
3.外水型水害
 山間部の土石流や、ダムや堤防の急な決壊により、一気に大量の土砂や水が襲う状況を言います。警報から避難までの時間が間に合わない場合もあり、家財の移動や搬出もできないことや、避難の遅れによる人的被害も起こる可能性が高くなります。押し寄せる水量も激しく、家屋や家財を一気に押し流すこともあり、復旧に関しては家屋の建て直しを含む、長期復旧期間が必要となります。また、激流により、家財道具もゴミも何もかもが押し流されるため、水が引いた後は、何も残らない状況もありえます

水防の概要
1.水防活動

 河川が増水した場合、河川や堤防の状態を見回り、堤防などに危険なところが見つかれば、壊れる前に土のうを積むなどをして堤防を守り、被害を未然に防止・軽減する必要があります。このような、河川などの巡視、土のう積みなどの活動を水防活動といいます。
 昭和24年に制定・施行された水防法には国、県、市町村、住民それぞれの役割が決められています。その中で、市町村はその区域における水防を十分に果たす責任があるとされています。また、次にあげている水防事務組合や水害予防組合が水防を行う場合は、それらの機関に責任があります。
2.水防警報

 川ごとに決めている水位観測所の水位に対して、次のような水防活動の目安戸なる水位を決めておきます。川の水位が、その水位、またはその水位近くまで上昇すると水防警報が発令されます。このような水防警報が、出される河川は全国で308河川あります。

指定水位

各水防機関が水防活動に対して準備をする水位です。大雨に関する警報が出されるなど、水害が心配される場合、水防団などが待機します。

警戒水位

水防機関が出動して警戒にあたる水位です。川の水位が警戒水位に達し、なお上昇の恐れがある場合、水防団が出動し水防活動を行います。

計画高水位

川の堤防が耐えられる最高の水位のことです。水防活動としては、堤防などの危険箇所を巡視・点検し、必要な連絡を行い、状況に応じて水防工法を実施します。警戒水位を下回り、水害の心配がなくなった時、または水防活動が必要なくなった時には水防警報が解除されます。水防警報が出される河川は全国で308河川あります。

 水防警報は次のようなシステムにて迅速に知らされる。
水防警報システム

 水防警報の段階、時期及び措置

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